外国交渉や会議は英語で行おう

2011-07-29

外国との交渉や会議でも、日本語だけで発言するなどという一〇〇年前のやり方は即座に廃止すべきである。自国語にプライドをもち、国際的な場面でもフランス語にこだわっていたフランスでさえ、最近は英語を多く使うようになった。そのフランスより時代錯誤的なことをやっているのが日本である。笑止千万といわなければならない。驚くべき経験をしたことがある。外務省の肝いりでモスクワで日露学者会議を開催したとき、私は共同議長の一人(もう一人はセルゲイ・カラガーノフ氏)になってくれといわれたことがある。それは大変結構なことと受諾して参加した。最初に二〇分ほど報告せよとのことだったので、初めの五分ぐらいはロシア語で演説して、あとは英語で話した。驚いたのは、私がロシア語で報告を始めるや、脇にいた外交官がざわついたのだ。後からわかったのだが、自分たちにわかる言葉でやってくれないと困る、どうして日本人が発言するのにロシア語を使うのかと、小さな声でいっていたそうである。ロシア側は、予想だにしなかった日本人のロシア語に感激し、拍手がしばし止まなかった。発言だけではない。外国交渉や会議で通訳をつけるのは当たり前という考え方も改めてほしい。場合によってはそれを恥ずかしいと思わないところが問題だと思う。通訳をつけるのは、時間と金の無駄使いであるだけでなく、言葉や表情のやり取りのなかで交渉の進め方を機敏につかむチャンスを見失いがちになるのではないか。