電化製品や自動車などの諸産業はすでに何十年も前から後者を選んできました。ですから、「テレビ(ジョン)」「エアコン(デイショナー)」「アンテナ」「ハンドル・ブレーキ」「タイヤ」など、日本語に直せなどと言われたら業界全体が大混乱してしまうほどこれらのことばは日本語のなかに定着してしまったのです。それどころか、「ウォークマン」のように、「ヘッドフォン・ステレオ」を抑えて、日本の大手メーカーのこの製品名のほうがアメリカ社会でも採用され、それがそのまま英語になってしまったものまであります。これは日本語と英語だけの話ではなく、メキシコなどではスペイン語に多数の英語が入っていますし、英語にもメキシコ経由のスペイン語がたくさん入っています。私はメキシコの人たちともよく英語で話しますが、彼らはスペイン語に借入された英語を多用します。独特のスペイン語アクセントですが、それは英語をカタカナ発音する日本人に匹敵します。とても英語とは思えない発音ですが、カリフォルニアやアリゾナやニューメキシコやテキサスで生活する彼らは、発音がよくなってからなどと悠長なことは言っていられません。また、これらの地域ではそれが風物詩のように定着し、日本人と違って恥じる様子を見せません。それだけ英語スピーカーと接点ができますから、英語もどんどんうまくなり、やがてはアクセントもよくなります。