自転車の視点がいかに面白いか、いかに自由か、いかに四輪車やモーターサイクルと異なるか、それを実感するのが、自転車での散策だ。ベテランはこれを「ポタリング」と呼ぶ。語源は不明だが、のんきで気ままな語感が良い。ポタリングには厳密な定義づけなどないようだから、どの程度のサイクリングまでをポタリングと呼ぶかは人それぞれだが、私が「ポクリング」と考えるのは、距離50km以下で、起伏の差があまりないエリアでの地域探訪的サイクリングである。
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もちろん距離110km程度を数時間かけてゆっくり回ることだってある。要は量的な問題じゃなくて、「この辺りをじっくりのんびり探索してみよう」という気分の自転車旅だ。言い古された物言いかもしれないが、旅の本質のひとつは発見であり、出会いである。もっと言えば、そうした発見や出会いを通して、その街なり風景なりあるいは自己に対して認識を変えることである。だから、いつもの四輪車での通勤路をちょっと外れて自転車で裏道を走ってみること、それも立派な旅であると私は思う。ともかく、自転車旅はポタリングに始まり、ポタリングに終わるという面が確かにある。私が20代で中断していた自転車を復活するきっかけになったことのひとつは、金沢のような街を四輪車で訪れたときに、「自転車をいっしょに持ってきていれば、もっとあちこち自由に見て回れだのに」と考えたことでもあったのである。