人の健康、家の健康を左右する大きな要因が結露であるならば、結露を発生させない方法はないのでしょうか。その方法としてまず考えられるのは、結露の原因となる湿気・水蒸気の制御です。湿度をコントロールするなら、エアコン、除湿器を用いればいいのではと素人は安直に考えがちです。しかし、これらを常に動かしていたのではエネルギー費用が増大します。さらに各部屋に機器を設置しなければならず、コスト面において現実的ではありません。そこでエアコン、除湿器に代わる調湿性のある建材が考えられるわけです。調湿性建材は、湿度が高いときに室内の水分を吸収し、湿度が低いときには水分を吐き出し一定の空間湿度を保とうとします。湿度の変動が大きいと物の傷みが激しいことから、美術館や博物館などの展示品を収納しておく収蔵庫は常に湿度を一定にしておく必要があります。このような場所では、必ず調湿建材が部屋の内装材として用いられています。調湿建材の代表的なものとして木材があげられますが、博物館や美術館を建設する場合は、床に木を用いることと、内壁に厚さ30ミリ程度の板を使用することが推奨されています。また、逆に家の中の温度差をなくすことによっても結露は抑制することができます。水蒸気は温度の高い場所から低い場所に移動する性質があるため、温度の高い部屋から温度の低い部屋や押入、さらに壁や床下、屋根裏に流れ込み、結露となるのです。さて、それでは家の中の温度差をなくし室温を一定に保つにはどうすればいいのでしょう。その答えが全館冷暖房という方法です。全館冷暖房とは、いうまでもなく家の中のすべての部屋を同じように暖めたり冷やしたりして家の室温を均一にするということです。しかしここで問題になるのが、エネルギーコストです。家全体を常に均一の温度に保つためには莫大なエネルギーを消費することになります。そこで、このエネルギーコストを抑えるために必要となるのが「断熱と気密」なのです。