外貨急落の動きを「上海株ショック」

2011-08-04

06年年末に「ドル高」気味だったドル/円は、07年1月には、「120・00」を上に抜けて、122円台をつけます。07年1月と2月は、「119・00」〜「122・00」程度での、それまでの最高値圏での持ち合い相場を形成します。そして、07年2月27日に、上海株急落をきっかけとして、ドル/円は急落し、3月上旬には、安値の1ドル=115円をつけています。この、ドル/円をはじめとした外貨急落の動きを「上海株ショック」と呼びます。「上海株ショック」については、「上海株」というエマージング市場(新興株市場)の急落をきっかけに、大手ヘッジ・ファンドが、それまでに積み上げてきた円キャリー・トレードを一気に手仕舞ったことが、ドル/円の急落を招く原因となりました。すでに述べた通り、こういった、円キャリー・トレードのポジションを手仕舞うこと(反対売買をして、ポジションを解消すること)を「円キャリー・トレードのアンワインド」と言います。上海株ショックで、円キャリー・トレードのアンワインドが起きたのですが、それは、本格的な円キャリー・トレードのアンワインドの連鎖を呼ぶことはありませんでした。円キャリー・トレードのアンワインドが、さらなる円キャリー・トレードのアンワインドを呼び込むといった連鎖が起こると、本格的なクラッシュ=「大クラッシュ」になります。しかし、このときの市場参加者は、本格的なクラッシュに向かうことはありませんでした。逆に、上海株ショックによるドル/円の下落は、新たに円キャリー・トレードを行う市場参加者の拡大をもたらしています。円キャリー・トレードをやりたいのだけれど(やりたかったのだけれど)、市場価格が高くなっているので、高値で買うのをためらっていた市場参加者に、絶好のチャンスを与える結果になったのです。上海株ショックは、ドル/円レートの変化で言えば、121、122円程度〜115円程度への、6、7円の急落なのですが、マーケット(外国為替市場)全体を俯瞰して見るならば、“適度な調整”であった、ということでしょう。しかし、短時間で、ドル/円レートが6、7円急落すれば、そこで致命的な大損をした市場参加者も、当然ですが、大勢います。ですから、07年2月下句から3月にかけてのこの値動きに、「上海株ショック」というネーミングがなされたのです。しかし、上海株ショックは、所詮「ミニ・クラッシュ」であり、。調整”の域を出るものではありません。上海株ショックを経て、ドル/円は、再び円キャリー・トレードが復活します。上海株ショックで下落したところを拾う、いわゆる押し目買いが、マーケット(ドル/円市場)をサポートした、ということです。上海株ショック後のドル/円レートは、一定のリズムを持ち、上昇しています。小さな上下動を繰り返しながらも、チャート上のサポート・ライン(トレンド・ライン)に従って、ジリジリと上昇しているのです。07年6月には、それまでの最高値だった1ドル=122円も上に抜けて、124円台をつけています。